第4回MOTセミナー(2012年8月27日~31日に実施)

 MOTセミナー開催の概要 

 

1、期日    2012827日(月)~31日(金) 

開講8月27日 10:00〜夕・懇親会 、 828日~30日09:00~21:00 

修了831日 14:00

2、会場  セミナーハウスフォーリッジ

3、定員    20

4、参加費   30万円 (税・教材費を含む)

(別途 宿泊費・懇親会費 約6万円)

5、修了認定 全講座の60%以上の参加により修了を認定し、修了証を発行いたします。

 

 

827日(月)午後  グローバル企業成功の秘訣

成熟化した先進諸国間の競争の時代は終焉した。一方、発展途上国は中国の成長以前は、いずれもが経済成長の為のインフラ投資の段階で調達した外債の償還という壁にぶつかり、クレジット・クランチに陥ってきた。しかし産業システムと為替管理との巧妙な政策の成果で、海外企業を呼び込み、雇用機会を増やし、潜在需要を喚起し、新たな成長経済圏を構成することに成功を収めてきた。そこで耐久消費財を含む消費財市場の成長と工業国の製造企業の移転とが重層化して世界経済は過去にない変化を遂げてきている。問題は、この種の変化に如何に対応・適合化するかである。そこでは先行進出企業や成長期に焦点を当てた参入戦略など企業や業種に依って多様な経営戦略が繰り広げられている。本セッションでは、その多様な経営戦略に着目して、如何に技術優位性を保持しながら、事業気化を捕捉できるのか、その要諦に関して討議を進めたい。

 

828日(火)午前  成長する台湾企業の経営戦略

発展途上国の物価水準との乖離の影響から我が国の産業は低価格に圧力にどのように抗して行けるのかに多くの企業が腐心している。しかし台湾企業は産業界を挙げて中国と言う経済的存在を活用した世界経済の変化を先取りし、一気に国際SCMを取り込み特に電機・電子産業での台頭が顕著である。現在は中国との標準化戦略の調整をする一方、台中自由貿易協定の締結そして次の経済メカニズムの政策変更とを見据えた新たな世界経済モデルを先取りしようとしている。台湾企業成長の秘訣と今後の戦略とを土俵に上げ、今後の先進国のあるべき経営戦略を検討する。

 

828日(火)午後  デジタル家電のグローバル展開

伝統的に日本経済は電子機器と輸送機械との国際競争力を梃子にして成長を遂げてきた。特に電子機器産業では、コンテンツをはじめとする新たな事業モデルの構築と技術移転との狭間で一気に産業基盤が揺らいでいる。大手電子機器メーカは例外を除いて大幅な赤字に直面、中には台湾企業の資本を得て事業再構築を迫られる事例も見え出し、産業基盤は崩壊のリスクに直面していると言ってもよい。果たして、今後の経営戦略や技術戦略などで巻き返しが可能か否か、その条件を討議したい。


829日(水)午前  基盤技術をベースにした事業戦略

技術戦略と事業戦略との関係には2種の類型が考えられる。その1つは新規製品の仕様に関するビジョン創造を目的に技術開発を進めるというスタイルである。しかしこの場合、多くの類似企業の参入を許し、過当競争に陥るケースが多い。もう1つのスタイルは、基盤技術をベースとしてその深堀をし、基盤技術をベースとした事業基盤の強化と多角化とを実現する戦略である。このセッションでは、後者の経営に着目して、技術基盤に着目した経営の条件とその永続的成長を保証する課題とを討議する。                                                    

829日(水)午後  総合企業の経営変革

 日米欧の先進諸国では製品と市場とのマトリックスの中で事業PPMをマネージすることを常態としてきた。しかし経済活動のグローバル化に関しては、その世界での事業リスクを取れる事業に特化した製品を核にしての投資が行われてきている。この為、総合企業は事業組織の構造変革に挑戦してきている。一方、伝統的な技術基盤をベースとして事業の総合化を効率的に進行してきた所謂総合企業では経営資源である技術と市場深耕度を高める為の製品ポートフォリオの改革とのバランスの再調整が求められている。総合企業の経営を将来に向けて如何に展開するのか、その経営理念をはじめとする経営のあり方を俎上に載せて討議する。

 

830日(木)午前  標準化を含む知財行使によるビジネスモデルの創造

 企業活動の成果は顧客との間で交換する価値の高に因って評価することができる。その場合、価値を高めるには機能差別化と価格による方法とは選択されるが、一方、多様な技術ドメインが存在する場合、その技術間競争に勝利することが避けられない。この時、経営判断として固辞したい技術をベースに事業モデルの標準化戦略を取ることが不可避である。しかし差別化の源泉でもある技術を他社にも提供し、しかも自社に有利な事業モデルを率先して創造し、競争戦略を優位にすることが重要となる。このように矛盾に満ちた戦略の選択を如何に行うべきか。本セッションでは、その問われている課題に関して戦略的代替案の選択の問題を討議する。

 

830日(木)午後  技術集約型設備産業の成長戦略

 モノを実現するには素材や設備を踏む叡智を集約した競争優位性を確保する必要がある。しかし一時の米国の鉄鋼業では設備機械の開発力の減衰から結局撤退に追い込まれてきた。日本の半導体産業の衰退もその意味ではコア技術が設備に集約し、先進技術革新の主導権を握れなかったことが、敗退の背景にあるとも言われている。設備機械産業での技術主導権をどう握るか、設備を利用する立場の、製造業は如何に設備メーカと協調するのか、そのバリューチェーンのマネジメントについて討議する。

 

8月31日(金)  技術差別化による国際事業の拡張

 欧米では発展途上国に移転する産業と依然として先行した技術集積とを維持していくのか、という切り口で産業を峻別している。航空・宇宙産業やバイオ・ナノテクそしてスパコン、高速鉄道、次世代エネルギー産業、省エネエンジンなどは、その視点で国家的基盤産業として重視されている。防衛産業の国際化に制限があった我が国では、今後、この種のハイテク産業の育成が、競争力維持の為にも極めて重要である。本セッションでは航空機エンジンを事例に、先進諸国と棲み分けできるハイテク産業の育成モデルと成功に導く為の条件とを検討する。

 

(注記)上記は今回のプログラムの趣旨であり、個々の課題の提案者が全て決まってから、改めて講師による提起課題とその概要を

公表する予定である。

 

 

MOTセミナー これまでの実績

     

【過去の講師陣】2005年より20108月まで慶応ビジネススクールで実施した例を含む。役職は登壇当時、50音順>
・安部晃一(東レ株式会社 取締役研究本部長 基礎研究所長)

 ・韋文彬(株式会社ボザール代表取締役)

・今村哲也(元花王株式会社取締役、元キッコーマン株式会社常勤顧問)

 ・岩崎啓一郎(三菱重工業㈱ 航空宇宙事業本部航空宇宙業務部長)

 ・岩崎哲夫(国際経営者協会(IMA)代表理事・会長)

 ・大久保孝俊(住友スリーエム㈱ 執行役員)

・太田進((株)東レ 技術センター企画室長)

・岡部弘((株)デンソー特別顧問)

・小野昌朗(株式会社東京アールアンドデー代表取締役社長)

・加藤 恒(三菱電機株式会社 知的財産渉外部長弁理士 )

・加藤幹之(Intellectual Venture 日本総代表 元富士通常務取締役)

・黄瑞耀(中華経済研究院 東京事務所長)

・蔡 温喜 (A.Open 董事長)

 ・坂巻資敏(㈱リコー 元常務執行役員)

 ・佐々木繁(㈱富士通研究所 常務取締役)

 ・白洲一新(ウィルジェンス特許業務法人 弁理士)

・鈴木武夫(TDKラムダ㈱ 元社長)

 ・高岡浩三(ネスレ日本㈱ 代表取締役副社長)

・髙 修(富士通テン専務取締役)

・高橋忠生(日産自動車㈱ 特別顧問 元副会長)

・谷 善平(元シャープ㈱代表取締役副社長)

・辻孝夫(日商エレクトロニクス(株)元社長 双日(株)機械部門顧問)

・常盤文克(元花王㈱会長)

・永島孝明(弁護士 永島橋本法律事務所)

・中野克彦 (日本ゼオン㈱ 相談役)

・中村嘉秀(アルダージ株式会社 代表取締役社長)

・長久 厚(ラクオリア創薬株式会社社長、元ファイザー㈱常務取締役)

・野津英夫 (住友スリーエム㈱ 常務取締役CTO

・原 丈人(デフタ・パートナーズ・グループ会長)

・前川 (㈱東芝 電力システム社 総括技師長

・牧本次生(元㈱日立製作所専務)

・丸島儀一(弁理士、キャノン㈱元専務取締役、金沢工業大学大学院教授)

・水島  正(PNBアセット・マネジメント・ジャパン㈱ 代表取締役社長)

・水野博之 (元松下電器産業㈱副社長)

・村上憲郎(グーグル㈱社長)

・守谷文彦(ソニー㈱、知的財産センター知的財産企画管理部統括部長)

・山田 純(クアルコムジャパン㈱ 代表取締役会長)

・山田重生 (元花王株式会社取締役、中間法人ディレクトフォース)

・弓場英明(富士通㈱・㈱富士通研究所特命顧問 富士通㈱元常務)

・渡辺 徹(アプライドマテリアルズジャパン㈱代表取締役社長) ・V.スリラム(インフォシス・テクノロジーズ社 上級副社長兼アジア太平洋部門代表)

 

 

【過去の参加業種と職責】

主に4050代の以下の業種、職種、役職の方                 

業種:食品、化学、製薬、ゴム、窯業、鉄鋼、機械、電機、輸送用機器、IT、商社、金融、コンサルティングなど

職種:経営者、経営企画・事業立案、研究開発、業務・事業開発、商品開発、知財戦略、営業、システム開発など      役職:代表取締役、取締役、執行役員、本部長、工場長、技師長、部長、室長、次長、主幹など、

参加者総数 約400名 (2005年以来 2回/年の実施の累計)

 

【参加者の声】

対象範囲が多岐にわたり多角的にMOTを考えることができた。講師・スタッフの経験値は素晴らしく大変勉強なった。

・時期を数回に分けるのではなく一気に5日間行なったのがよかった。吸収できる質が上がったように思います。

・生き残るのにいかに技術が大事であるか改めて認識、考えさせられたこと。また、異業種の方と交流できたことがよかった。

・第一線で活躍してきた経営当事者による現場視点の課題提起と他社の幹部との経営討議は刺激があります。

・「技術をベースにした事業戦略」「知財戦略」「グローバル事業・技術戦略」「国際事業の展開」など、幅広い視点から技術立脚型経営に関して学ぶとともに討論できた。

・実務に基づく講義内容で非常に説得力があり刺激を受けた。また専門外の業界もその道の一流講師の話を聞くことができ大変参考になった。

・現役を含めてこのような横のつながりをもてる場が今の日本には必要と思います。引続きご支援をお願いいたします。

・非常にエクサイティングかつ有意義な時間を過ごさせていただきました。

 

 

主催法人役員氏名

 

理事長 許斐義信

理事    岩崎哲夫、今村哲也、小野昌朗、川島孝一、澤田 淳、坂巻資敏、鈴木寛純、髙橋 修、谷 善平、野津英夫、守谷修司、

 監事 出津 平、水島 正

事務局 佐藤正樹