第3回MOTセミナー実施報告(2012年2月27日~3月2日)

~グローバル視点で技術立脚型経営を考える~

 

1.本プログラムの目的と特徴

<目的>

業は競争優位性を技術力とそれによる差別化に依存してきた。

今回の講座では、グロ-バルな事業展開の要点に関して、技術の特性に

着目しながら、実務経験者の課題提起と、それを受けて参加者との討議を

行うことができた。

単に経営学的知見に留まることなく、実務の経営者と、技術に立脚した

経営の要諦を議論し、ひいてはグローバル化が避けられない今後の企業の経営のあり方を探る場を提供できたと考えている。

 

<プログラムの特徴>

1)技術経営に関して世界で繰り広げられてきた、現実の企業事例をもとに、経営学的視点をベースに経営的問題点を抽出、論議を行なう

 ・“経営”こそは、国際競争力の減衰原因であり、また強化のためには必要不可欠な要素であると考えている。特に今回は電子機器業界と自動車部品業界とのグローバル化の戦略や問題点を比較しながら討議できた。

2)わが国の第一線で活躍している経営当事者の現場視点でのコメント、ディスカッションにより、問題構造を鮮明にする

 ・今回は知財戦略における第1線で御活躍の皆様をお呼びして、技術を基盤にした事業強化のあり方について情報交換会を催すことができた。

3)自社の経営的な問題点に置き換えて考え論議を行う

 ・実務経験とアカデミックとの融合化は、抽象化を求め、その過程で応用力が磨かれる。

4)問題意識の高い参加者同士の異業種交流の場とする 

 ・理論は概して抽象度が高すぎるとか、適応条件に合致しない。本講座では参加者を含む講師との討議を通じて制約条件や適応の可能性を検証することができる。

5)今回ははじめて住友3M社の事業開発の為、顧客とのワークショップを行う

 ・現場を見学し、更にその機能や開発の要点に関して討議した。

 


2.各セッションの概要報告

 

1日目  2月27日(月)  (初日は9時45分 現地にて開校) 

開講式  事業所見学・オリエンテーション                

09:45集合 【3Mカスタマーテクニカルセンター(CTC)見学】


今回のセミナーは3Mカスタマーテクニカルセンター(CTC)集合・見学会から始めた。

CTC(Customer Technical Center)は、お客様の技術的諸問題の解決を目指し、見たこともない数々の新製品や技術の相互のつながりを生み出し、ユニークなソリューションという成果をもたらす事を目的とした、新しいコンセプトの下でつくられたソリューションセンターである。そこでは3Mの50,000種類におよぶ製品とその開発力のベースとなっている40を超えるテクノロジープラットフォームを統合し、お客さまの目的、要望に合わせ、お客様の事業・業界に最もマッチした独自の解決の方向を研究スタッフとともにご検討するというユニークな場である。CTCでは3Mの技術者と顧客サイドの技術・開発者とが集まりワークショップを開催する。その討議を通じて所謂、技術と顧客ニードとを結びつけ、新たな技術と新たな製品とを相互に生み出す。具体的には自動車・環境関連・そして医療などの現場を模した機械や設備の見学や討議内容の概要についても紹介を受けた。

(見学会後、セミナーハウス フォーリッジへ移動し、以下の正規プログラムが開始された)


14:00  【技術立脚型経営と3Mのグローバル事業展開】 

 講師 野津英夫様   技術立脚型経営研究会  理事

            元住友スリーエム㈱常務取締役CTO

                               

世界における3Mの事業展開はどのような形で実行されているか。イノベーション経営で世界的に著名な3Mの技術経営に関してどのような考え方で取り組んでいるか、その真髄に迫る討議が行われた。

Mは一般の企業が次世代の事業ビジョンを掲げ、その実現に向けて経営資源を集中し、事業化に取り組むと言うスタイルで新規事業を立ち上げている訳ではない。同社は基盤技術を事業基盤に据えた独特の経営モデルを育んでおり、その基盤技術は既存の事業だけではなく、新たな市場を開拓する潜在力を有しているものと看做される。

しかし他の先進諸国が発展途上国へ事業基盤を拡大する際、最大の問題は知的資産が移転してしまい、競争基盤を失いと言う事態が起きている。同社に於いてはその種の技術移転や漏洩は極小化されており、その経営の真髄を事例として取り上げ、基盤技術をベースとしたグローバルな事業拡大の戦略とその拡大の際具備すべき条件とを検討した。顕著なグローバル戦略の要点として議論したのは発展途上国に対する事業開始のタイミングである。同社は発展途上国の市場動向を常時解析し、市場性が期待できると看做した段階で現地企業よりも早く当該国に於いて事業を開始するという戦略の先取りに議論が沸いた。

                               

16:30   【オリエンテーション】

 課題提起  許斐義信 技術立脚型経営研究会  理事長

           元慶応義塾大学大学院経営管理研究科教授 

 

本講座の目的とプログラムの狙い、そして何故実務家との対話が重要なのか、真に競争優位の技術立脚型経営へ向けて、どのような経営改革を進めるべきか、その背景と事業競争力を風化させている日本企業の技術立脚型経営に関する研究成果を披歴し、本プログラムの概要を短時間で解説した。

 

18:00  【懇親会】

受講者自己紹介とセミナーに参加した動機の紹介を含み、参加者間の情報共有化を行った。

 


2日目  2月28日(火) 

 技術をベースにした事業戦略の展開

         【エネルギー新時代への先端材料の展開

 講師 太田進様 東レ㈱ 技術センター企画室長 

     兼 自動車材料戦略推進室参事    


「地球環境・エネルギー新時代」と「新興国経済の台頭」の潮流の中、日本の「モノづくり」は大きくその姿を変えている。

東レは”Innovation by Chemistry"をコーポレートスローガンにあげて、重点分野の多角化によって先端材料の開発を進め世界に貢献しようとしています。東レが挑戦してきた事業構造改革と技術の強みに立脚した経営、および、中期計画の核となる地球環境配慮型商品、すなわちグリーンイノベーションの展開を紹介し、これからの研究・技術開発のあり方について意見交換を実施した。

特に旧来技術と位置づけられる繊維関連技術と炭素繊維技術との融合効果が成果を上げ、炭素繊維の競争優位性を確立できら事例などが取り上げられ、技術基盤の重要性の認識と製品戦略における必要技術と保有する基礎的技術基盤に関する戦略との輻輳した企画を如何にマネジメントするか、への議論が及んだ。

 

スマートシティ構築事業に関わる日本企業の「光と影」

 講師 辻孝夫様 日商エレクトロニクス㈱ 元社長

         双日株式会社機械部門顧問

 

2030年までのスマートシティ構築関連事業規模は約3100兆円(20年間の累計)と云われており、各企業も高い期待感とともに多くの企業や国々が参入を計画中である。一方、日本企業の多くは、世界最高レベルの技術を持ちながら海外でのスマートシティ構築事業では個別のソリューション売込という営業形態となることが多く、現状のままでは欧米企業の後塵を拝すことになり兼ねない、と言う危機感から、中国を含む海外における社会インフラとしてのスマートソサエティ戦略を紹介。政府が重要戦略として注力中の「パッケージ型インフラ輸出」を成功に導く要諦について討議した。

 

<モデレーター>

 坂巻資敏   技術立脚型経営研究会 理事

        元(株)リコー 常務執行役員

  高橋 修        技術立脚型経営研究会  理事

        元富士通テン(株) 専務取締役

 

 

3日目  2月29日(水)

知的財産戦略 

 技術系企業の知的財産戦略~技術で事業を強くするために~

 講師  丸島儀一 様  弁理士、 

       キャノン㈱元専務取締役 金沢工業大学大学院教授


技術系企業が事業で勝つためには知的財産(知財)経営が必要であるが、それは企業の競争力の源泉となる知財を創造し、それを活用することにより事業を強くする経営である。それが丸島先生の提言であった。

同氏の主張は「知財経営は知財の本質を認識し経営資源として重視し、知財を取り込む仕組みを持つこと、技術力と知財力に基づく競争力の高い事業の創出が重要だ」と言う点にある。

さて企業戦略には事業戦略と全社戦略があるが、事業戦略は他企業と事業において競争するための戦略で、これを支えるのが全社戦略であると位置づけるとした場合、その全社戦略には全社の技術力と知財力を結集した新規事業モデルの創出が要となる、と主張する。事業戦略は事業の先読み、技術の先読み、知財の先読みの情報共有に基づき構築すること、競争力の源泉となる自社の技術、知財の強み、弱みの認識と事業化前に強みを増し、弱みを解消する知財戦略(標準化戦略も含む)が必要で、技術、知財の弱みを解消し強めるアライアンス戦略も視野に入れるべきであり、事業戦略に適ったアライアンス戦略には交渉力と契約力が必要になる。など多くの事例を駆使した課題提起であった。

また組織的には、これらの戦略を立案し実行するには事業部門、技術部門、知財部門の常時の連係、融合活動が必要である、とも提言した。

 

米国特許法の大改正―米国の最新情報と日本の対応

 講師  永島孝明様  弁護士 永島・橋本法律事務所 

 

2011年916日、オバマ米大統領が特許改革法案(リーヒ・スミス米国発明法案)に署名し、米国の特許改革法が成立しました。改正の内容は、特許制度の国際調和問題で最大の懸案事項でもあった米国の先発明主義から先出願主義への移行であったが、それ以外にも、異議申立制度の採用、料金改定等多岐にわたる大改正であり、米国でも2州で弁護士資格を持つ永島先生ならではの最新情報の説明であった。この制度変更は米国出願特許件数が多く、米国の知財立国政策とかかわりが深い日本において、直ぐにも対応が必要な内容を含んでいる。今回のセミナーでは、更に日本における課題や留意事項等の解説にまで話題は広がり、特に専門家とは詳細な質疑を交わすことになった。

<モデレーター>

 許斐義信  技術立脚型経営研究会  理事長

        慶応義塾大学大学院経営管理研究科教授

 坂巻資敏  技術立脚型経営研究会 理事

                元(株)リコー 常務執行役員

     

【ミニシンポジウムの開催】

2つの講義を受けて知的財産に関するシンポジウム議論の話はIPRの行使戦略を中心に展開された。技術を梃子にした競争戦略は排他権の活用をベースにして先行企業群のアライアンスなど多岐に及ぶが、一方、技術間競争が展開されている場合、その競争技術が所謂プラットフォーム化に成功しなければ技術革新は成功しない。そのような背景で標準化を如何に考えるのか、事業と知財の統合機能であるとの観点からと、訴訟戦略という観点から、標準化でも事業的便益を確保できる戦略のあり方にも議論が発展した。

 講師  丸島儀一様  弁理士 

 講師  永島孝明様  弁護士 

 

【交流会:知財戦略を考える】

講師の方々に加えて知的財産分野でご活躍の専門家の方々をお呼びして参加者の皆様との交流会を開催いたした。過去の講師陣では元富士通で唯一テキサスインスツルメンツのキルビー特許との交渉に勝利し現在インテレクチュアルベンチャーの日本法人代表の加藤氏、デジタルテレビの特許プール会社社長の中村氏、三菱電機の加藤氏、それに参加企業からはIHIの伊東氏や元電子協の清氏等も加わり、参加者との知的財産を巡る経営的改革の話題で交流会は活発な議論が続き、中々終了しなかった。

  


4日目  3月1日(木)

グローバルな事業・技術戦略 

【台湾の技術開発戦略技術立脚型経営の過去・現在・未来】   

 

 講師  黄瑞耀 様 中華経済研究院 東京事務所長 

 

1991年日本のバブル経済が崩壊し、以来20年が経過しても日本経済は、依然として停滞を続けており、この間日本の優良企業(情報家電や自動車・運輸企業)は、売り上げと利益を伸ばすことが出来ず殆どの企業が膠着状態であるのに対し、台湾ではPC業界でエイサー、クアンタ、コンパルなどが目覚しい成長を遂げ、1991年の年商50億台湾ドルであった鴻海精密工業は、20年間で驚異的な成長を遂げ売り上げ600倍の29,972億台湾ドルという、台湾のトップ企業はもとより世界NO1企業に成長しました。また日本企業が伸び悩んでいる液晶パネルの分野でも10年前には存在しなかった奇美電子や、友達光電が台湾企業の年間売り上げトップテンにランクインしています。技術開発力では台湾企業に対して、1日の長がある日本企業が、ビジネスの競争では、何故台湾に勝てないのか。技術のない台湾がグローバル競争で、力強く成長し、勝ち残っていける原因はどこにあるのか、平素の黄先生が研究してこられた知見から、日本企業の幹部社員へのご助言を披歴して頂いた。その要点は、工業化したいと願っている中国をはじめとする発展途上国とどのような立場で関わりを持つのか、にも及び、単なる低コストの生産拠点や安価な商品需要が成長しているという見方に拘っている日本企業の経営姿勢に対しても強烈な教訓を提案頂いた講義であった。

 

モデレーター> 坂巻資敏  技術立脚型経営研究会  理事

               元(株)リコー 常務執行役員

 

 

【中国における企業の技術立脚型経営】

 講師      沓澤虔太郎 様 アルパイン株式会社 相談役 

 

中国先端企業のこの20年の成長スピードと今後の企業提携について、過去20年の改革開放が本格化してからの企業の成長スピードは驚異的であった。この間先進各国に学び,今や技術、生産、品質面、更に販売、経営面でもその差は 数年内、同等に近づいている。

輸出型企業から膨大な国内消費市場の成長を糧として、今やグローバル企業への道を歩みつつある。この為のリーダーの育成、大胆なリスクを恐れない新事業の創出、投資等を理解した上でよきパートナーを見出し提携するのがベストである。先ずGive&Takeから。という考えを基礎に沓澤氏が支援して今日中国最大のソフト会社に成長したNeusoftの事例紹介は大変迫力があった。

また同氏は、昨今の日本の電子機器メーカの悲惨な経営実態の原因にも話題は及んだ。同氏の提言の要点は、日本企業の経営者は自信喪失しており、また短期の株価等を重視するに止まっている、その経営姿勢に問題の根源があるという極めて冷静で現実を直視したものであった。

 

モデレーター> 高橋修  技術立脚型経営研究会  理事

               元富士通テン(株) 専務取締役

 

        

5日目 3月2() 

国際事業への展開 

【(株)デンソーの概要】

 講師 沼澤成男 ㈱デンソー 新事業推進室新事業探索担当部長

                (兼)技術企画部担当部長    

  

JCTMの会員でもある沼澤氏から事前学習の意味でデンソーと言う企業の紹介が行われた。デンソーの技術基盤、事業基盤そしてグローバル戦略などなど、トヨタグループの基盤部品メーカとしての経営革新に関しても、その次に課題提起をお願いした岡部様からの御提言を伺うためにも有効な企業紹介を受けた。

 

【日本の技術開発とデンソーのグローバル戦略】

 講師  岡部弘様  ㈱デンソー 特別顧問 元会長・社長

          

企業の国際化が進展し、いわゆるグローバル企業が登場してきている。我が国企業は他の国々に比較して概してグローバル戦略には後塵を拝してきている。さて、このグローバル化であるが、元来、価値観もまた行動様式も異質で更に市場の特性も異なる企業における事業のあり方を検討しなければならないが、特にローカルな技術と市場の開拓を優先して、そのためにグローバルな経営資源を活用するという世界企業の事例を参照にしながら今後のグローバル企業経営のモデルを探った。

特にデンソーにおける戦略は顧客である自動車会社の創設時点から同社の製品や技術を提供しながら、現地企業の事業立ち上げを共に行うと言う、極めて早期の対応力には驚かされた。そこにはじめから現地企業と競争するという発想ではなく、最初の段階から事業を立ち上げるということであり、グローバル化は製品別に顧客対応を軸に行動を起こすという。

また欧州の大手同業者とは当初から事業領域を棲み分け、協調的に自動車産業の成長を支えると言う。グローバル戦略の基本的発想の原点から、戦略の重要性を見直すべきだという議論に質疑は涌いた。

 

<モデレーター> 

 沼澤 成男 ㈱デンソー 新事業推進室新事業探索担当部長

        (兼)技術企画部担当部長 

      

【修了式】 (最終日は1430分 終了予定)  

■修了証書授与

 

3.会場

 【会場】

        「セミナーハウス フォーリッジ」

        TEL:03-5490-5111 FAX:03-5490-5114

        住所:東京都世田谷区船橋7-11-1

 

4、参加費用と講座単位受講

    30万円 (教材費・懇親会費・消費税込み)

    宿泊費・食費は別途ご負担

    今回の特別措置として、各期日の講義単位での参加を認めた。

一講義あたりの費用は、5万円(教材費・消費税込み)

これは継続参加企業などで過去の参加者やJCTMメンバーのセミナー

への参加希望に応えてのプログラムであり、今後も、この講座単位の企画を継続したいと考えている。

 

5、過去の講師陣2005年より20118月まで慶応ビジネススクールで実施した例を含む) 

<過去のゲスト講師(役職は登壇当時のもの)50音順>
・安部晃一 (東レ株式会社 取締役研究本部長 基礎研究所長)

・韋文彬 (株式会社ボザール代表取締役)

・今村哲也 (元花王株式会社取締役、元キッコーマン株式会社常勤顧問)  

・岩崎啓一郎 (三菱重工業㈱ 航空宇宙事業本部 航空宇宙業務部長)
・岩崎哲夫 (国際経営者協会(IMA)代表理事・会長)
・大久保孝俊 (住友スリーエム㈱ 執行役員)

・小野昌朗 (株式会社東京アールアンドデー代表取締役社長)

・加藤 恒 (三菱電機株式会社 知的財産渉外部長弁理士 )

・加藤幹之 (Intellectual Venture 日本総代表 元富士通常務取締役)

・蔡 温喜(A.Open 董事長)

・坂巻資敏 (㈱リコー 元常務執行役員 ) 

・佐々木繁 (㈱富士通研究所 常務取締役)

・白洲一新 (ウィルジェンス特許業務法人 弁理士)

・鈴木武夫 (TDKラムダ㈱ 元社長)

・高岡浩三 (ネスレ日本㈱ 代表取締役副社長)

・髙橋 修 (富士通テン㈱ 専務取締役)

・高橋忠生 (日産自動車㈱ 特別顧問 元副会長)

・谷 善平 (元シャープ㈱代表取締役副社長)

・常盤文克 (元花王㈱会長)
・永島孝明 (弁護士 永島橋本法律事務所)

・中野克彦 (日本ゼオン㈱ 相談役)

・中村嘉秀 (アルダージ株式会社 代表取締役社長)

・長久 厚 (ラクオリア創薬株式会社社長、元ファイザー㈱常務取締役) 

・野津英夫 (住友スリーエム㈱ 常務取締役CTO)

・原  丈人(デフタ・パートナーズ・グループ会長)

・前川 治 (㈱東芝 電力システム社 総括技師長)

・牧本次生 (元㈱日立製作所専務)
・丸島儀一 (弁理士、キャノン㈱元専務取締役、金沢工業大学大学院教授)

・水島  正 (PNBアセット・マネジメント・ジャパン㈱ 代表取締役社長)

・水野博之 (元松下電器産業㈱副社長)
・村上憲郎 (グーグル㈱社長)
・守谷文彦 (ソニー㈱、知的財産センター知的財産企画管理部統括部長)

・山田 純 (クアルコムジャパン㈱ 代表取締役会長)

・山田重生 (元花王株式会社取締役、中間法人ディレクトフォース)

・弓場英明 (富士通㈱・㈱富士通研究所 特命顧問  富士通㈱元常務)

・渡辺徹 (アプライドマテリアルズジャパン㈱代表取締役社長)

V.スリラム  (インフォシス・テクノロジーズ社 上級副社長兼アジア太平洋部門代表)

など

6、受講生

尚、本MOTセミナーは2005年のMETI依頼による高度技術経営者養成に関する研究を引き金にしてシンポジウム、そして年2回のセミナー(いずれも合宿形式で5日間コース)を実施してきており、参加者は累積で250名に上る。主幹の許斐の慶応義塾大学教員を終えて特定非営利活動法人技術立脚型経営研究会を設立し継続しているセミナーである。累計では17回目のセミナーである。

尚、過去のMOTセミナーに参加された方々の属性は概ね以下の如くである。

 

<受講生>主に4050代の以下の業種、職種、役職の方

業種:食品、化学、製薬、ゴム、窯業、鉄鋼、機械、電機、輸送用機器、IT、商社、金融、など

職種:経営者、経営企画、研究開発、業務・事業開発、商品・システム開発、知財、営業など

役職:代表取締役、取締役、執行役員、本部長、工場長、技師長、部長、室長、次長、主幹等、

7、経緯

MOTセミナーは企業経営における技術的視点からの30年に及ぶ経営学的研究とMOTセミナー講師陣による日本企業の国際競争力に関する課題提起とを踏まえたプログラムであり、知見を披歴頂きました各講師陣も同様の年月、技術経営に関わってこられた経験を持ち、    今回のプログラムもそれら講師陣との討議を経て、検討・作成した。                  

技術立脚型経営という呼称も、これらの専門家との議論を経て到達した概念で、どちらかといえば米国で研究された経営学に主軸を置くセミナーとは異なり、現実的に戦略を検討し実施していく、そのマネジメント経験を基礎にした課題提起に挑戦しようと試みている。したがって、本セミナーからは特に明確に参加者と講師陣、参加者間の討議を重視する時間設定に変更した。                                       つまり1日毎に技術立脚型経営の各主要要点を絞り、それに関わる講師陣からの課題的を踏まえ、当日の夕刻まで(予定では21時まで)率直な情報交換と討議をする時間を設けた。大よその1日の典型的スケジュールは以下の如くであった。(詳細スケジュールは別途作成)

  9時―10時:技術立脚型経営における各要点の説明(経営学的視点の講義)

10時―12時:講師[1]からの課題提起

13時―14時:講師との質疑

14時―16時:講師[2]からの課題提起

16時―17時:講師との質疑

17時―18時:1日を通じた全体討議 グループ討議テーマ討議

19時―21時: グループ討議&発表

 

8、メディア・リレーションと機関誌

 

今回はJCTMの活動を組織の外へも発信すべきであるというメンバーの意見を斟酌して、㈱新潮社のネットマガジン「Foresight」の編集長にも参加頂き、理事の寄稿を行う予定である。今後もこの種のメディア・リレーションを継続、強化したい。

またJCTMで機関誌を発刊していくことにしているが、セミナー講師の許諾を得て、一部の講座概要を機関誌へも掲載していくことを企画している。

 

以上