第15回 2018年2月20日〜23日開催

テーマ 企業の情報化 デジタル化・ソフトウエア化・ネットワーク化

       の変革を受けて如何なる技術経営の変化を迫られているか     

 

「技術と市場の関わり方や情報による事業モデルの変革が静かに進行しています」これは第14MOT研究会の巻頭言の記述です。ここ数年間の世界の産業界を見わたせば、ドイツ・米国、そして製造立国をめざす中国の存在もあります。新たな変革がおきていることを実感します。

 ここ2年間に開催したMOT研究会では、変革の潮流を捉え、先進する各国の考え方や戦略を研究・論議することを中心に実施して参りました。企業の取組みも「産業革命」の概念が先行し、各産業視点から提言されていることは、製品レベルや、バリュチェーンプロセスレベルなど複合的な色彩が強いと考えられます。例えばAI・Cloud・自動運転・つながる化・センサー・ロボットなど要素技術を通じた縦系列での提言や議論が多く観られ、すべてが総論としてインダストリー4.0・I oTとされています。

 では、そうした取り組みはどのような考え方で、どのようなテクノロジーを作興し開発して競争力を持つのか考える時に、敷衍できる「横断的な視点に立って再定義すること」も必要であると考えます。一律で情報化という抽象論ではなく、特徴づける技術的な視野で分類することは、わが国の産業の基盤として持続させる必要があります。

 そして、今までの研究会での課題提起や議論を通じて「変革に関するコンテンツ」は、大きく3つの視点「デジタル化」「ソフトウエア化」「ネットワーク化」から事業のあり方を再構築するという基本的課題が重要であると考えます。

 

 

《デジタル化・ソフトウエア化・ネットワーク化の意味》

・デジタル化 

   Cyber上で現実社会の再現可能・・・

時間・空間の制限を超え多様なことが可能

・ソフトウエア化 

 論理世界上で機能・仕様の変更・・・

短サイクル・多頻度で組換え新顧客価値の創出

・ネットワーク化  

相互に繋がり単体を越える成果・・・

ネットという場では、提供者と参加者の分化

 

  

また、(下図)「開発・生産のプロセス/流通・顧客の情報価値による変革 俯瞰図」は製造業の個別工程と顧客における各種工程の全情報化を中核にした観点で再考することを提言するものです。

今回、第15回MOT研究会では、「ネットワークを明確にした討議を行うこと」、「イノベーションを基軸にした新たな価値創造に視点を置くこと」の2項目を課題として取り上げることといたします。わが国の産業全体にわたる広範かつ重要な課題であり、変革を伴うものでもあると考えます。

企業をはじめ多方面の皆様と共創し叡智を集めて、

わが国産業の技術立脚経営のあり方、考え方、その戦略を研究し論議してまいる所存です。    (許斐 義信)     

図 開発・生産のプロセス/流通・顧客 の情報価値による変革  俯瞰図

 

 

 

220日(火) 

10:00 1230

❐第15回MOT研究会 開講  オリエンテーション

プログラム全体の概説、およびマクロ経済視点から観たわが国の産業・事業の

変化の動向に触れ、企業の戦略とその取り組みに関し論議する。 

   講師   JCTM 理事 鈴木 寛純 様

 

13301700

❐自動運転 および 電気自動車 の進化とその戦略  

自動運転、電動化をはじめとして自動車技術の進化が加速している。130年の

歴史のなかで常に進化を続けてきた自動車であるが、内燃機関から電気への

駆動システムの変化、更には人間が運転しない自動運転への転換は史上最

大の変化といってよいであろう。その急激かつ大幅な進化を支えているのは、

デジタル技術の応用による開発技術の進化である。

自動車製造の現場では、従来から様々なメーカーで実践されてきたトヨタ生産

方式が、最近のIoT技術、あるいはインダストリー4.0活動により、生産効率を更

に高めようという試みがされている。世界では年間約9500万台の自動車が製

造、販売されている。そのうち約3割を占め数の上では優位にある日本の自動

車産業、電動化で一歩先を行くように見える欧米、中国の自動車産業それぞ

れの現状と進む方向につき考える。

 講師  株式会社 東京アールアンドデー 

               代表取締役 CEO 小野 昌朗 様

 

18:00 2000

  ❐懇親会

                                            

221日(水)

     09:00 1230

❐情報産業から市場を俯瞰したビジネスの革新

ビジネスのデジタル革新の有力な手段として、世界の各社がITをパック化した

IoTプラットフォーム」を提供し利用企業による新しいビジネスが、実用段階に

進んできている。また、センサーデータを効率的に情報処理して価値転換する

手段、クラウドデータの前に現場側で処理を行う「エッジコンピューティング」

も、新たな分野として確立しつつある。業務経験と知見をもとに、本領域におけ

る業界動向、利用企業の動向、取組みについて、利用企業にとっての従来

ITとの差異やビジネス面の意義などにも言及しつつ、技術の概略や事例を

解説し論議する。

講師  富士通株式会社 ネットワークサービス事業本部

     IoTビジネス推進室    室長   大澤 達蔵 様

 

   1330 ~1700

❐デジタル化による開発システムの革新 

   ドイツではIndustrie4.0の名のもとに製造業をIoTでつなげ、大幅な製造工程の

    効率改善を目指す動きが進んでいる。自動車産業では3次元CADデータを基

    礎として製品のあらゆる部分をデジタル化し、物理的な試作品の前にシミュレ

    ーションを行い、製品性能を予測し、試作品試験の前に設計変更を行う。従

    来は複数回の試作工程で試作車を数十台製作して試験を行っていた開発工

    程を最終確認一回だけ試作、というような開発期間の短縮、開発コストの圧縮

    が行われている。3次元CAD CATIAをベースとして周辺の開発に必要な解

    析ツール群を豊富に備え、近い将来デジタルで一気通貫の開発を可能にす

    るシステム実現を目指している。そのシステム全貌と今後の進化の方向性を紹

    介し論議する。

    講師  ダッソー・システム株式会社 

         3DSビジネストランスフォーメーション事業部

      テクニカル・ディレクター  野崎 省二 様 

 

❐自由研究 

 

 

 222日(木)

     09:001230

新たな変革への先導者・優位性の活用か、自己否定か

変化を遂げる渦中にある企業は、いかにして、変化への先陣を切るかが求めら

れる。自社の視点を離れ、顧客視点でソリューションを再定義するとか、自社が

構成していたアーキテクチャを再構成して、新しい概念を創り自社のポジション

を最適化できるか否かを問われているともいうことができる。この時、自社の経営

資源が有効である場合もあれば、反対にその強みを否定しなければ事業の改

革に成功できない場合もある。先導的な変革への取り組みを考察・論議する。

     講師   (調整中)

 

 

   12301700

❐事業環境の変化に対応する新規事業の創造

 自社のもてる技術資源やものづくりのテクノロジーを練磨することは勿論のこ

 と、自前主義から脱しパートナー企業との連携やテクノロジーを世界にも求

 め、新たなビジネスを構想・構築する取組みを展開している。さらに企業の情

 報化を事業変革に導く重要な資源として巧みに使い新たな事業化を模索して

 いる。2011年 専任部署の新事業推進室を設置してパートナー企業の探索・

 育成に注力している

       講師  株式会社 デンソー 東京支社 VI室 

                    担当部長  沼澤 成男 様

❐自由研究 

 

223日(金)

   09001230

❐四次産業時代の知財戦略                                                

~事業の弱みを消し強みを増す知財戦略の要諦〜 

          

技術立脚型経営は技術・知財を創造し、重要な経営資産として活用して

事業を強くし、持続、発展する経営で経営戦略に知財戦略、標準化戦

略を組み込むことが必須である。

○国際競争に打勝つにはビジョンと先読みによる技術力(自力/アライア

ンス)と知財力に基づく魅力的な新事業、商品、サービスを創造し市場

を形成、維持、拡大していく「企業(事業)戦略」と
       ○知財の「本質」を認識し、事業の「弱み」を消し、「強み」を増す、企業

(事業)戦略に適った「知財戦略【デファクト、標準化(IOT標準化戦略も

含む)】」が共に必要になる。
       ○そして、事業のサイクルに亘って事業を優位にするために事業・技術・

知財部門は密に連携して戦略的知財活動をすることが求められる。

◆企業経営者(事業・技術・知財部門)のなすべきこと
全社戦略と事業部戦略機能を持ち、企業(事業)戦略構築に必要とする全社及び各事業部別の技術・知財の真の強み、弱みの実態を常時把握し、経営情報及び知財活動情報としての活用と、

◆企業(事業)戦略は事業・技術・知財の先読みの情報の共有により三

位一体の活動で構築する。

 ○事業の先読みは事業部門(各部門の連係で)が技術の変化、市場の

ニーズを含めた事業の変化の先読みを行い、事業の弱みを消し、強みを増す協調と競争の戦略を立てる

 ○技術の先読みは研究開発部門(各部門の連携で)が基盤技術、事業化技術の変化の先読みを行い、事業の弱みを消し、強みを増す技術・知財創造の協調と競争の戦略を立てる

 ○知財の先読みは知財部門(各部門の連携で)が事業を展開する国の知財制度、運用の変化の先読みを行い、事業の弱みを消し、強みを増す、変化する知財制度、運用に対応する協調と競争の戦略を立てる

 

知財システム→知財の本質=排他権=事業の弱みを消し、強みを増す

知財戦略の要諦は同じ、戦略・組織・機能のつながり強く、広く、実践

活動は事業の強み、弱みの実態把握、と(α)、(β)の評価強く求めら

れる

○弱みを消す⇒現在の解消法+提携、連係、グループ化戦略の優位さ、

広さ(α)が必要

○強みを増す⇒現在の増強法+提携、連係、グループ化戦略の優位さ、

広さ(β)が必要

講師 丸島特許事務所 所長 弁理士 丸島 儀一 様   

 

13:30 1630

イノベ―ションは環境変化に於ける適応力と適合力

    現在進行している多様な変化に対して、企業は経営バランスを壊してお

       り、多くの問題を抱えている。変化への適応力が必要であるが、概して企

       業は経営バランスの修復に勢力を使い、事業を変化に適応させることの

       得手ではない。経営の舵取りはまさにその状況下で必須の要件となる。

       ポイントを絞り企業変革の要点を議論する。

         講師   コンチネンタル・オートモーティブ株式会社

 

 

❐修了式 ・閉講 (1700

 

 

(注記) 上記プログラムは課題提起の概要、およびテーマ・内容を予告なく変更することがありますのでご了承願います。