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これまで当研究会では、IoTというコンセプトが、これからの産業や社会にどの様なパラダイムシフトを起こすのか、ドイツが主唱したIndustrie4.0(以下 第四次産業革命と記)や、米国が中心となって提唱したインダストリーインターネットという政策的取り組みに基づく各社の動向を調査・研究をしました。
その結果、第四次産業革命は、わが国の製造業がグローバルに展開してきた市場がドイツ等の海外企業によって、奪取されるリスクともなり得ることが見えてきました。
また、IoTによるユビキタスネットワーク、スマート社会が進行すれば、地球規模で市民の利便性や効率が大幅に向上するメリットがあることは事実です。しかし他方では、昨今指摘されるように数々のリスクを内包していることも分かってきました。こうした問題に対応するために新たな国際的なルールを構築する重要性も認識されつつあります。
現在、米国や中国企業では、IoTのコア技術の一つである5Gを次世代のビジネスチャンスとして捉え、国家的規模で積極的な技術開発と国際標準化の競争が行われています。こうした動きに比べてわが国の取り組みは活性に欠ける面があるように見受けられます。
翻って、地球規模で現れている変化を見れば、気候変動によるとされる自然災害の増加、急速に増大する世界人口問題、これに伴う食糧・水・資源問題、環境破壊問題など課題が山積しています。わが国では短期的には少子高齢化による労働人口の減少、さらに中長期的には総人口の減少も大きな問題となります。
これに加え、COVID-19の流行という、一年前には予想もされていなかった災禍が世界を覆い、これまで当たり前の様に考えられてきた、常識、枠組み、前提等が根底から覆され、否応なしの行動変容に迫られている状況になってしまいました。
世界的な「シャットダウン」の潮流の中、人の行き来や交流の制限、「国境」の再認識等に伴い、従来のサプライチェーンも、現時点では非常に揺らいだ状況に追い込まれています。
ただ、視点を変えれば、こうした変化への取り組みはある種ビジネスチャンスとして、産業界・企業がその解決に取り組むことから新たな事業創出が想定できます。そのため社会実装を含めた技術開発や技能習得なども進化・革新していく必要があります。
イノベーション(革新)の意味付けは、 ①新しい価値を生み出すこと ②生産性が向上すること、の2側面が考えられます。これらを各々の事業の特性に即したターゲティングに基づき適切に課題を認識し果敢に挑戦していくことが必要です。
COVID-19の流行により世界の産業構造も大きな変化を余儀なくされていますが、今後の産業の「新たな枠組み」をどう捉え、どう対応(適応)していくか、と言う事がますます重要になってきました。
企業は環境対応業といわれます。人の叡智と技術と技巧を巧みに活用、組み合わせ、わが国の持つ強み、そのポテンシャルをいかに引き出すことができるか、技術経営の視点、現場に立脚した視点に立って、変化の時代にいかに挑戦するか、参加者の皆さんと研究・論議したいところでございますが、昨今の情勢を鑑み、今回のMOT研究会は、講師のご講演はオンデマンド配信を基本とし、オンラインでのグループ討議を組み合わせた構成での開催を計画しました。
第19回MOT研究会では以下の項目に焦点を定め課題提起を主とした内容としました。
1)「COVID-19のインパクトと重要な変化」への対応を念頭に、・新たな時代の産業構造を想定し、
産業構造・社会基盤のあり方、日本が勝てる領域とシナリオを考え、これに合わせた日本の企業
戦略の軌道修正を考える。
2)自動車業界の今後を俯瞰し、日本の自動車産業の在り方を考える。
3)自社の伝統的なコアテクノロジーを基盤として強化・作興し、事業を発展させる経営とは、
を考える。
(技術立脚型経営研究会)
第19回 MOT研究会プログラム
今回、講演はすべてオンデマンド配信にて行ないます。以下に講演プログラムとその初回配信予定時期と配信終了時期を示します。
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2021年2月1日~3月31日
❐講義1)
オリエンテーション
JCTM 理事 石村 浩 (元東芝総合人材開発株式会社 元取締役)
開講 挨拶 第19回MOT研究会 開催にあたって
JCTM 理事長 許斐 義信 (慶應義塾大学大学院経営管理研究科 元教授)
❐講義2)課題提起 『経済のミクロ-マクロリンケージから考える企業経営』
企業は事業や計画を検討する際、環境要因としてGDPなどのマクロ経済変数を参照します。国民経済計算では理論に基づき「家計」、「企業」、「政府」の経済活動を集計し、それらの相互作用を分析します。資本主義の市場経済で価値を生み出す主体は「企業」であり、その活動によって生み出された付加価値を集計したものがGDPです。1995年から2019年の四半世紀で米国のGDPは2.8倍、一人当りGDPも2.3倍に増えたのに対し、日本はいずれも0.9倍と減少し、各国通貨ベースの実質値でも米国、ドイツなどと比べて極めて低調です。いま、日本で企業が生み出す付加価値が総体として停滞しています。ミクロの経済活動がマクロ経済へと至るリンケージを考察し、技術経営の今後につきまして皆様と一緒に考えてみたいと思います。
講師 JCTM理事 鈴木 寛純 (AIMグローバルマーケティング株式会社、代表取締役)
2月5日~3月31日
❐講義3)グループ討議課題提起 『企業改革の方向性について』
今回、オンラインでの開催を予定しているグループ討議の進め方について説明した後、第19回MOT研究会開催の主旨に基づき、以下の様な課題提起を行ないます。
「日本経済が低迷する原因は何か;(鈴木講師の講演も参照して)」
金融資本主義(株主資本主義)的な経営手法?(配当重視、コスト削減による企業余剰創出(ローコスト経営)、ROE重視の経営判断、財務体質強化重視等)、イノベーション創出力の低下? 技術力の低下? 有為な人財の不足? 管理型経営 VS 現場型経営、 行政による財政出動や消費税への対応 等々。
これらの課題提起を基に3テーマに絞込み、後述する別日程で参加される皆さまでオンラインで討議頂きます。
講師 JCTM理事 石村 浩 (元 東芝総合人材開発株式会社 元取締役)
2月8日~3月31日
❐講義4)課題提起 『COVID-19のインパクトと重要な変化への東芝の戦略と取り組み(仮題)』
新型コロナによって企業を取り巻く環境・従来の枠組みが根本から変わりました。一方、欧州・中国
では新たな時代を見据えた新産業・社会基盤戦略が本格的に始動しています。
新型コロナよって生じたインパクトと重要な変化と、欧州・中国が戦略的に進める新たな産業・社会基盤構築の動向を踏まえ、将来像を俯瞰し、これからの時代を理解するための共通の認識をつくり、Post COVID時代に適合した産業・企業・戦略のあり方を考えます。
講師 中村 公弘 様 株式会社東芝 東芝インダストリアルICTソリューション社 IoT技師長
(兼)株式会社 東芝 デジタルイノベーションテクノロジーセンター センター長付
2月12日~3月31日
❐講義5)課題提起 『変化に対する組織行動の在り方―お膳立て文化からの脱却―』
世界的な変化の潮流は、コロナ禍の影響による停滞は不可避ですが、ポストコロナの下では新たな潮流
となり、変化は激しさを増していくと考えられます。そのキーワードは、人口増、少子高齢化、食糧不足、水不足、大気・海洋汚染、エネルギー転換、温暖化、脱内燃機関、グローバル化、サービスビジネス、AI、セキュリティ、宇宙産業、等多岐にわたります。日本企業は過去におけるグローバリゼーションの進展によるコモディティ化の大きな流れの中で、弱電をはじめスマートフォン、太陽電池、Liバッテリーなどなど、国際競争に耐えうる技術競争力を持ちながらも敗退したわけです。今後、間違いなく起こる世界的規模のさまざまな変化に対応して、巨大な事業機会が生み出されて行くのは論を待ちません。その果実を少しでも手にするために、未来に向けて必須となる組織行動に何が求められるのかを考察し、個の自己変革に裏付けされた組織変革を早急に成し遂げる必要があります。その一助とすべく、組織的行動の重要性を提起いたします。
野津講師:変革を持続的に行う事により発展してきた、3Mの経営の在り方を紹介
池上講師:銀塩感光材料事業衰退時の、富士フィルムの対応を「変化への対応」事例として紹介
講師 JCTM理事 野津 英夫 様(住友スリーエム株式会社 元常務取締役CTO)
JCTM理事 池上 眞平 様(富士フィルムHD株式会社 元R&D統括本部長)
❐講義6)課題提起 『自動車産業の将来』
カーボンニュートラルが叫ばれる中、2035年~40年にかけて化石燃料を使ったエンジンを搭載した新車の販売を禁止する、との報道が相次いでいます。数年前から活動が活発化しているテスラは年間生産台数50万台をほぼ実現し、時価総額ではトヨタの2倍をはるかに超え、事業拡大の勢いを増しています。この様な経営環境の中で、自動車業界、別けても日本の企業は、激しい環境の変化に対応しどのように行動するのかについて概観します。(EV、燃料電池車、PHV、HVの現状と今後、自動運転等々)
講師 JCTM理事 小野 昌朗 様(株式会社東京アールアンドデー 元代表取締役CEO、現名誉会長)
2月19日~3月31日
❐講義7)課題提起 パネルディスカッション 『アフターコロナの企業経営(仮題)』
「アフターコロナの企業経営(仮題)」と題し、許斐理事長他、JCTM理事数名によるパネルディスカッションを行います。
企業の現場では現状を乗り切るためにどのような取り組みが行われているか。何が課題と捉えられているのか、将来(~3年後)ビジョンをどのように描いているか、等に関して、パネラーによる討議を行います。
パネリスト
JCTM 理事長 許斐 義信 (慶應義塾大学大学院経営管理研究科 元教授)
JCTM 理事 伊東 章雄 (株式会社IHI 社会基盤・海洋事業領域 副事業領域長)
JCTM 理事 伊東 広樹 (富士通株式会社 政策渉外室 シニアプロフェッショナル、
元次世代テクニカルコンピューティング本部(次世代TC開発本部) 本部長代理)
他 数名の方を予定
コーディネーター JCTM理事 石村 浩 (元 東芝総合人材開発株式会社 元取締役)
3月14日、3月20日で3回オンラインにて実施
❐グループ討議
講義における課題提起(前述)を受け、最終的に3テーマを設定します。参加される方々はテーマ提示後、希望するテーマを選定していただきます。基本はオンラインとします。
尚、参加希望者が偏在した場合は事務局で調整します。
想定されるテーマ例
・株式会社のあるべき姿とは
・2050年 カーボンニュートラルをどう捉えるか
・日本の製造業は何故競争力を低下し続けたのか
アドバイザー兼モデレータ テーマ毎にJCTM理事が2~3名参加します
3月27日(土)
❐グループ討議振り返り(COVID-19の状況によっては開催を取りやめる場合もあります)
各グループ討議後、参加者にはレポートを提出して頂きます。グループ討議の際にまとめ役(互選)指名頂き、まとめ役の方には参加者のレポートを、簡単なレポートに纏め、3月27日(土)に行うオンライン発表会で発表していただくことを計画しています。
ただし、今後のCOVID-19の状況によっては開催を取りやめる場合もありますことご承知おき下さい。
なお、「振り返り」を行わない場合にも、参加者の方にはレポートの提出はお願い致します。
❐修了証・閉講について
以下の条件を全て満たした参加者の方には、技術立脚型経営研究会理事長名でMOT研究会修了証を発行致します。第19回MOT研究会―オンデマンド開催―は、この修了証の発行、発送を持って閉講と致します。
(修了証発行要件)
1) 講義1~7全ての配信を視聴し、受講レポート(グループ討議とは別の)を提出すること
2) グループ討議に参加し、レポートを提出すること
(注)上記プログラムは課題提起の概要、講師、テーマおよび内容を予告なく変更することがあります。ご了承願います
(注)上記プログラムは課題提起の概要、講師、テーマおよび内容を予告なく変更することがあります。ご了承願います。
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開催概要
1、期日 2021年2月1日(月)~3月31日(水) コンテンツ視聴可能期間
2、受講方法
・インターネットに接続できるお手持ちの機器で、ウェブブラウザーを介しての動画による講義を
視聴頂く。
・一般的な各種ブラウザにて視聴可能ですが、ブラウザのバージョンは最新のものにしておいて頂く
事を推奨します。
・推奨ネット環境(スピード)は4Gサービスと同等以上を推奨しますが、不安な方には別途、
事前に試行の機会を設ける予定です(別途連絡します)
・グループ討議はオンライン(Skype又はMS-Teamsを使用する予定)
・受講申し込み、支払いを確認された方には、受講のためのIDとパスワードを発行します。
・講義毎の質疑は、メールベースで行います(受講申し込み時別途詳細連絡)
3、定員
・修了証発行を希望される方: 30名
・視聴のみの方(一コマ視聴も含め): 20名
4、参加費 ・以下の表の通り
参加 |
質問・ 回答 |
レポート (感想) |
グループ討議 |
修了証書 |
価格(税込) |
備考 |
全講座 |
○ |
○ |
○ |
○ |
10万円 |
修了証 |
✖ |
感想任意 |
✖ |
✖ |
5万円 |
視聴のみ |
|
コマ受講 |
○ |
感想任意 |
✖ |
✖ |
1万円/講座(注1) |
視聴のみ
|
注1:講義3)グループディスカッション課題提起は 5千円/1講義
* お支払いは銀行振込にてお願いいたします。
* ID、パスワード発行後にキャンセルされた場合参加費の返金はご容赦願います。
5、その他 ・IDおよびパスワードは受講申込受理後(*)2~3日後にご連絡します。
*今回のMOT研究会受講に際しては、お申込を受理した段階で受講に関する契約が
成立したものとみなし、IDおよびパスワードをご連絡しますので、
その旨ご承知おき願います。
・講演関連資料は、お申込受理後、配信に合わせて順次電子ファイル(pdf)にて
お送りする予定です。
・お送りした資料も含め、オンデマンド配信動画の録画、コピー、および第3者への
開示はご遠慮下さいますようお願い致します
JCTM 特定非営利活動法人 技術立脚型経営研究会
〒221-0835 横浜市神奈川区鶴屋町二丁目2銀洋第二ビル202号室
理事長 許斐 義信
TEL 045-313-4833 FAX 045-313-4899 携帯090-1233-4015(事務局 佐藤正樹)
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